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KIFFOってなに?

こんにちわ。映画祭ディレクターの宮平です。

こども国際映画祭in沖縄<KIFFO(キフォー)>とは、毎年11月に沖縄県の那覇市で開催される、前夜祭をいれると3日間の映画祭です。

小さいころの多感な時期に、映画を通じて世界を感じてほしい、という思いで、日本初公開作品をふくむ海外作品2作品と日本の作品1作品を上映しています。5才ぐらいの小さい子でも家族と一緒に映画をみてほしいという思いから海外作品には日本語吹き替えをつけ、また家族全員でみても経済的な負担が少ないように、大人もこどもも、1作品500円(前売り価格)で本場の映画をみることができる、特別な映画祭です。

そして、こども国際映画祭のもうひとつの魅力は、こども審査員と、こどもボランティアスタッフが様々なことに挑戦しながら、映画祭を一緒に作り出す、その経験にあります。

先日2018年6月30日に開催のこども実行委員会のふりかえりと合わせてこの映画祭で大切にしていることと、成り立ちと合わせて伝えていけたらと思います。長いので、ぱっぱと絵だけみても、構いません。

こども国際映画祭in沖縄開催の大きな目的と、大事にしていること3つ活動方針です! あとKIFFO(キフォーの意味)

 

これがKIFFOが大事にすることです!

KIFFOの大きな目的は!いろんな人の笑顔(幸せ)が増える社会です。

みんな違って、当たり前。

たくさんの人がそれぞれの生き方を尊重してたくさんの笑顔(幸せ)が社会に増えること。それがKIFFOの大きな目的です。

長期的に地球規模でいうと、互いを知り合い、話し合いで解決できる術を身につければ、悲惨な戦争は起こらないのではないか。という挑戦でもあります。それを実現できるのが映画の力だと思っています。

では、なぜ映画と映画祭でそれを実現しようと思ったのか?

まず、一つの映画との出会いをお話しします。

それは小さい頃、学校上映でみた「ケニー」でした。

(のちに、沖縄で出会い、わたしが師事するカナダ人映画監督のクロード・ガニオン監督の作品です。)

「ケニー」は、生まれた時に足がなくて生まれてきた男の子ですが・・・

実は、この映画を見るまで、私は体に障がいがある人たちのことをほとんど、みたことがなかったし、たまにみかけたら「かわいそう」とだけ思ってました。「みんなと同じじゃないことで、とてもみじめだろうな」と決めつけていたのです。

でも「ケニー」は違いました。

クラスのどの子よりも大人に向かって自分の意見をいえてクラスのどの子よりも行動的でした。そして、映画を通じて、体に障がいがあるケニーよりも、ケニーに両親の愛情を全部奪われたと感じているお姉さんのほうが心に大きな傷を負っていることにも、気づきました。

そこには、発見と、驚きと、大きな感動がありました。

では、なぜ映画祭なのか。というヒントというか、いきさつを、お話しします。

 

映画が好きだった私は、大学時代のとき映画祭のボランティアをしました。「映画が好き」な人が一緒に集まることでアイデアがうまれ、人脈がつながり、普段苦手なことでも挑戦したくなり(そして好きなことだからうまくいくんです)そして、その映画祭のチケットを売った大学の友達が映画を作るので手伝って、ということで、今まで見るだけだった映画を作ることにめざめました。

それから、様々な映画祭を手伝ってみて、たとえば今村昌平監督ともお目にかかる機会を得られたり、人前で話すことは挑戦しましたが、やめたほうがいいこともわかり(ご存知今も苦労してますが)、沖縄にいながらにして、本当に貴重な経験をしました。そして映画づくりの仲間の声かけで、大学4年のときに、「ケニー」のクロード・ガニオン監督のカメラ助手を経験し、長編映画の道にすすみました。

はしょると、「こんな経験を、こどもの時に、できていたらなぁ!」と思ったのです。

それから、がむしゃらに仕事をして、カメラ助手、助監督、初監督、、とさまざまな映画のキャリアをつみますが、わすれもしない2011年3月11日。沖縄に映画会社を立ち上げようとしていた3日前のできごとです。

3.11の震災が日本を襲い、私は途方にくれました。

私たちがやっているインディペンデントの独立系の映画は、水でもなく食料でもない。情けないことに被災地にいって励ますような資金力もない。

映画をやっていて、意味があるのか。と思ってしまい、本当に、おちこみました。

しかし、震災のあと、原発について様々な事実がわかっていくにつれて、なぜ、この地震大国で原子力発電が推進されていったのか、疑問に思いました。そしてそれは日本が「経済至上主義」なってしまったからではないか、と思いました。(ほんとはもっと複雑ですが、今はこの辺で・・・)

戦後の日本は復興にむけて必死でした。そのなかでまずは「豊か」になるために頑張り、経済大国とよばれるようになりました。でも、そこまでして築いた富なのに、世界一幸せな国になったのか、というと、もう戦争は終わったはずなのに、紛争や内戦がある国と同じぐらいの人が自ら命を絶っています。政治家さんもふくめて、日本人が、ただたんに「お金を稼ぐことがいい」という価値に向けてつっぱしるのではなく、人生を豊かにする方法をしっていたら?

それにはどうしたらいいか。

私には、小さい頃からみてきた映画が、答えのひとつでした。

もっとたくさんの沖縄のこどもたちに、人間っていいなぁと思うような、驚きと発見と感動がある映画をみてほしいな。

 

とくに、沖縄でこどもの貧困が問題になって久しいですが、こどもだけではなく、沖縄は、日本本土との距離も遠く県外にでることも渡航費の面で苦労します。

沖縄にいながらにして、家族が一緒にみて、気づきや発見につながり、お互いに話しあえるような、人間ドラマをみることができる、そんな映画祭をつくりたい。そう思いました。それが、大切にしている「映画は心の栄養だ!」です。

その想いに、様々な人や組織や団体が賛同し、協力があって立ち上げたのが、この「こども国際映画祭in沖縄<KIFFO>」なのです。

では、こども映画祭の特徴ってなんでしょう。

こども映画祭では、上映される映画の主人公もこどもたちです。こども目線で描かれますが、こどもだましではありません。

大人がみてもとても面白く、話がはずむような映画の上映をめざしています。

そしてもひとつの特徴は、グランプリを決めるのも中学生までのこども審査員

受付や司会者、照明や技術など、映画祭のスタッフもこどもたちが担当します。

大人じゃなくて

こどもが主役

 

そして、もう今年で5年目となりますが、こどもスタッフと映画祭をつくりあげ、大人スタッフと支え合い、映画祭をやってきて感じたことは、「こどもは人間の原点だ」ということです。

頭のでっかい人間の「赤ちゃん」は、生まれきたらたくさんのケアが必要です。動物の赤ちゃんのようにすぐにたてるどころか、首もよわく、支えていなければいけません。その意味で、一人で生きてきた人なんて、ほとんどいないと思うのです。「人は支えあう」ことが本能で、発展してきた生き物なんだということを、こども映画祭を通じて、私は改めて学んでいます。そして、こどもだからこそ「人間の原点であるこども」に敬意をもって向き合いたいと思っています。だから人生を左右する大事なテーマに(例えば「お金」「性」「政治」など)に、「こどもだからまだ早い!」と目隠しをするのではなく、きちんと学ぶ機会をもうけたり、一緒に考え、話し合う姿勢がとても大事だと考えます。

長々と大事にしていることをお話ししてきましたが・・・KIFFOのルールはいたって簡単。

ゆるく・たのしく・キフォるです。

 

ゆるく・たのしくの説明

KIFFOは学校や家庭と違う場所。

学校のように、勉強に集中するための制服もないです。社会と一緒で、法律が罰することはダメですが、それ以外のルールはありません。

みなさんが生活する家庭ではお父さんお母さんがみなさんを立派にそだてようと目を光らせているかもしれないし、そうじゃないかもしれませんが、「あんたこーしなさい あーしなさい」と、叱られないかなぁと、気にする場所ではありません。

(ただし、危険につながることはこっぴどく叱られます。)

自分のペース人のペースを大事にして、自分の「好き」に注目して、さまざまなことに挑戦してみてください。

でもちょっとまって・・・

「キフォる」という言葉、なんでしょう?これは作った言葉なので、いっときますが、辞書をさがしても見つかりません。

これは、こういうことです。

みんなの発言が手を繋いで「よっしゃー」する。

物事をよりよくしていくために、互いを尊重して意見をだしあってきめていく。というものです。

これはグランプリをきめる、こども審査員だけでなく、こどもスタッフのみなさんも、大人のみなさんも、大事なことです。

キフォるを大事にして、やっていきましょう。

もう一度おさらいです。KIFFOの大きな目的は!いろんな人のいろんな幸せがある社会。

みんながスマイル

 

ところで!こども国際映画祭in沖縄<KIFFO>にはモデルがあります。

その写真がこちら。

ドイツのベルリン国際映画祭のジェネレーション部門です。

1500名の会場を、大人とこどもが埋め尽くしています。

ディズニーでもクレヨンしんちゃんでもなく、ドイツにとって海外の、無名の外国人監督さんの作品をみるために、こんなにもたくさんの人が映画館に集まります。

そして・・・一番最初のKIFFOに参加した高校生は、東京にいって映像のお仕事についています。

4年前に小学生だったこどもスタッフが高校生になっています。

保健室登校だった子が思い切って参加して、今ではアルバイトでも管理職に推薦されるぐらい、得意をみつけています。

さまざまな好きや得意をみつけて、キフォを卒業しても、それぞれで頑張っています。

もちろん、キフォが好きで、もっといい映画祭にするんだっ!と、さらにパワーアップして

色々アイデアをだしてがんばっているメンバーもいます。

 

ぜひ、沖縄の未来をワクワクさせる、楽しい映画祭にするために、みんなの力をかしてください!

映画祭ディレクター宮平より!

最後に。

今回6/30のこども実行委員会ではもりこめなかったことがあります。日本にも、京都で20年以上つづく、こども映画祭があります。「キンダーフィルムフェストきょうと」です。まだKIFFOを始める前、京都のこども映画祭の卒業生の高校生がとても誇らしげに、映画祭のことを話していて、とても印象的でした。映画がこどもたちにできることを目の当たりにしました。

2018.7.19.加筆と修正しています。

 

 

 

 

映画はココロの栄養だ!
第5回こども国際映画祭in沖縄<KIFFO>
料金:1作品500円(前売)700円(当日)
場所:パレット市民劇場
日時:2018年11月16日(金)前夜祭
11月17(土)18(日) 映画祭本祭

上映作品と日程前売り券発売中賛助会員になる

こども審査員募集中!60秒作品募集中!

こども国際映画祭in沖縄<KIFFO>は、

小中高の多感な時期に映画を通じて世界を感じ、

「好きなもの」を通じて異年齢のこどもたちが世界を広げることを目的とした、

こどもが中心の映画祭です!

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