おきぎんふるさと振興基金の認定をうけて離島での上映が決定!

沖縄県民全員に見てほしい!「シネマ組踊 孝行の巻」完成披露試写会の様子

8月2日、映画「シネマ組踊 孝行の巻」の特別試写会を行いました!本レポートでその雰囲気を感じて頂けたらと思います。桜坂劇場ホールBにて開催した試写会には、マスコミほか出演者や関係者など約70名においで頂きました。

約70分の上映を終えると、一瞬の静寂のあと、会場から拍手が!

上映後の舞台挨拶では、プロデューサー大野順美が司会を務め監督の宮平貴子、地謡(歌三線)の仲村逸夫氏、立方(高札持ち/供役)の伊藝武士氏が登壇しました。

大野順美プロデューサーより挨拶、冒頭で映画を製作した理由について

大野順美P
大野順美P

能や歌舞伎と並び日本の重要無形文化財に指定されている組踊だが、おそらく99%の国民は組踊のことを知らない。私は普段組踊を中心に沖縄の伝統芸能の舞台プロデュースを行っているが、日本中の人に組踊を知ってもらうには、舞台だけをやっても間に合わない。一人でも多くの人に知ってほしいと思い映画化を決めた

その他、さまざまな組踊・映画に関するトークを行いました。

今回初めて組踊をみた時、どう思ったか?

宮平貴子監督
宮平貴子監督

オファーをいただいた際は、何かの間違いか?と思うぐらい伝統芸能と縁遠い人間だった。当時コロナ禍で多くの公演が中止になる中、ちょうど「執心鐘入」の舞台をみることができた。「執心-」はそのエンタメ性に驚き「今まで見なかったのがもったいなかった」とも感じた。組踊はもともと、初めて見る人にも分かりやすく構成されている。だから以前の私のように食わず嫌いしている人にこそ観てほしい。そう強く感じた。

組踊との出会い、映画をみた印象について

伊藝武士氏
伊藝武士氏

私は観るよりも出演の方が先で、組踊の初舞台は5歳だった。(おお、と会場が沸く)当時は琉球舞踊を習っていたが組踊を知らず、出演した後から色々な演目を知って、組踊って面白いなと感じるようになった。映画は今日初めて観ることができた。普段は演じる側なので自分の姿を客観的に観ることはないが、映画は色々な角度から見られるので、役者から見ても楽しいなあと改めて思える、新鮮な感覚だった。

仲村逸夫氏
仲村逸夫氏

組踊との出会いは沖縄県立芸術大学に入学してから。だいたいの人がそうだと思いますが、組踊よりは琉球舞踊や歌三線から先に学ぶ人が多いと思う。

私の主観的な意見だが、組踊に限らず古典芸能は難しく、古典芸能を見るには少し予備知識が必要だと思う。古典は現代人の感性と違う時代に作られているので、昔の人の考え方や、組踊なら儒教思想などを少し分かっているだけでも作品が面白く観られると思う。組踊食わず嫌いの方も、きっと出会いが悪かったのかなと思ったり。最初に今回のような映画に出会えば、たとえば宮城さつきさんによる説明があるのとないのとでは、楽しみ方が全然違うはず。ぜひこの機会に映画館で体感してほしい。

撮影で難しかったところ、力を入れたところ

宮平貴子監督
宮平貴子監督

*撮影は3日間、初日は通し上演を撮影し、残り2日はクレーンショットなどシーンごとに撮影した。組踊は立方のセリフの音程がとても重要と聞いていたので、1日目と2日目以降の音程が変わらないように、シーン撮影前に1日目の収録音源で音程確認をしてもらうなど工夫をした。

*初めてみる人にも魅力が伝わるようにするにはどうするか、も考えた。例えば字幕は、当初直訳の方がいいと考えていたが、物語の中へスッと入っていけるよう、大野さんと試行錯誤して現代語訳を今回の映画用の字幕に編集した。

伊藝武士氏
伊藝武士氏

普段の舞台はお客様の視線は正面からだけ。撮影となると色々な角度から映されているので、普段以上に色々な所に神経を集中させなければいけなかった。

仲村逸夫氏
仲村逸夫氏

私たち地謡は物語の起伏に合わせて感情を高めていくため、過去のシネマ組踊の撮影では「ここからお願いします」とシーンごとに撮影をお願いされるのが非常に難しかった。その点が今回大きく改善されて、音楽は通し上演の撮影を採用して頂いたので、今回の配慮に感謝している。

会場からの質問

1)数ある演目から、なぜ「孝行の巻」を選んだのか?

大野順美P
大野順美P

「孝行」は朝薫五番の中でも上演回数が少なく、大蛇シーンなどの大掛かりな仕掛けがあり、上演できる環境が限られる。映画なら場所を選ばず届けることができるため、この作品に決めた。

2)伝統芸能に触れていない時はどんなイメージを持っていたか?

宮平貴子監督
宮平貴子監督

「すごい、けど私とは別の世界」と思っていた。過去にプロデュースしたダニエル・ロペス監督作品で監督が琉球舞踊家の宮城茂雄氏に取材した際も沖縄の伝統芸能を誇らしいと感じたが、どこかで「私にわかるのだろうか」という不安があり、正面から向き合えなかった。

でも、孝行の巻の台本と演技を編集中に何十回も観ていくうちに、琉球古語の響きの方がしっくりした瞬間に、私もウチナーンチュだ!と思えた。

今年は沖縄の本土復帰50周年。私の親世代(60代~70代)は学校教育の中で標準語を話しなさいと言われ続けて育った世代。言葉は文化の根幹だからそれらも関係したなら伝統芸能と、向き合ってこなかった家庭は多いとも思う。だからこそ、「伝統芸能はすごいけれども、自分にはわからない」と決め付けず、食わず嫌いの人にも…ぜひ、沖縄県民全員がみてほしい(笑)

映画の公開は9月3日、組踊の日。

 この「組踊の日」を記念日協会へ制定申請をしたのは国立劇場おきなわが存在する浦添市です。試写会には浦添市長もご来場くださり、「浦添市としても応援したい」とエールをいただき、その後、浦添市役所売店での前売り券販売も決定しました。

 その他にも「周りにすすめたい」「映画を盛り上げていきたい」などのお声を頂戴し、とても心強く感じました。最後に、宣伝・配給にご協力いただいたオキハム(沖縄ハム総合食品株式会社)さんより、ご来場の方々へ『ジューシーの素』も配布され、ポスターやチラシもお持ち帰り頂きました。

ぜひ皆様のお力を借りて、映画を盛り上げていきたいと思っておりますので、これからも応援よろしくお願いいたします。

ご来場の浦添市長とともに記念写真

[特別鑑賞券発売中](シニア・一般・高校生共通1200円)

現在、前売券を販売開始しています。当日券よりもお得な金額でぜひお求めください。

・桜坂劇場 098-863-1933

・パレットくもじリウボウ4Fチケットカウンター 098-867-8246 

・コープあぷれ おもろまち店 098-941-8000

・浦添市役所 地下1階売店

「シネマ組踊 孝行の巻」特設サイトはこちらより

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