「ミライの授業」瀧本哲史とJapan Secret Shame

こんばんわ。宮平です。

連休はいかがお過ごしでしょうか。

私は仕事と映画と、読書と・・・色々しています。

この本「ミライの授業」はまだ14歳の君へ贈る、とあったのですが精神年齢14才なので手に取りました(笑)

「勉強は魔法の基礎!」ってリアル14才の時に教わりたかったー(笑)

帯どおり、大人が読んでも、とても面白く、ためになりました。

つまりは、世界を変えた偉人から学ぶ、世界を変えるためのヒントの本でもありますが

素晴らしいなと思ったのが、その中に女性が6名も出てくること。

19名のうち6名だが、各章に出てくるので存在感がとてもおおきい。

・ナイチンゲール(データで看護業界を変革)

・ベロア・シロタ・ゴードン(男女平等の概念を日本国憲法へ反映)

・ココ・シャネル(ファッション業界の歴史を塗り替えた皆殺しの天使)

・マーガレット・サッチャー(と彼女を支えた夫)

・J・Lローリング(ハリーポッターと賢者の石)

・緒方貞子(小さな巨人)アジア初の国連難民高等弁務官

特にベロア・シロタ・ゴードンの章は感動した。たった22歳の通訳者が、愛する日本のために「男女平等」理念を日本国憲法に盛り込むために奔走したのだ。同書によると、日本国憲法は、今のアメリカの憲法より男女平等の理念に基づいている、らしい。

先日、BBCが取材した「Japan Secret Shame」がBBCで放映された。私も拝見することができたが、セカンドレイプ以外の何物でもない現役国会議員による誹謗中傷と、ネットでの一斉攻撃、様々な性被害者が「黙らざるを得ない」日本の本当に恥ずかしい現状が綴られており、伊藤詩織さんの勇気に涙が出た。

この状況を、終戦直後「愛する日本のため、男女平等を実現したい・・・」と日本国憲法の草案作りに奔走したベロアが見たら、どう思ったのだろうか。

案外、拍手喝采したかもしれない。「日本人自身が声をあげたことが素晴らしい。」と。それぐらい、BBCのドキュメンタリーは、終始「自分のような思いはもう二度と他の誰にもさせたくない」という思いをつらぬいている、伊藤詩織さんのまっすぐな瞳が印象的だった。

この本のルールの一つによると「変革者には必ず(世界を変えたくない人たちによる)大きなバッシングがある」とある。そう思えば、今現在Twitterでみられる、伊藤詩織さんへのバッシングは彼女が変革者である証拠かもしれない。本当に勇気のある行動に敬意を表したい。

沖縄で、こどもの映画祭をやっているのは、ひとつには小さい頃の多感な時期に映画を通じて世界を知る、映画祭運営を通じて「すき」を通じて様々なことに挑戦する心を養ってほしい。という大きなコンセプトがある。学校や家庭だけの小さな世界では、せっかくのスポンジのような感性に「勉強ができないだめな自分」という意識だけを押し付けることになっているのではないか、という疑問もあった。

「こどもだからまだ早い」と言われづつけて教えてもらえなかった人生にとって大事な「お金」「性」「政治」。わからなくて間違った情報を得たり、危険なことになったりする弊害の方が大きい。だから3回目からは保護者を交えて性教育のクラスも開催した。(今年は「こどもの支援者にしってほしい「境界線講座」を開催した。レポートが遅れているが、注目してほしい。)

本書にもルールのひとつとして紹介されていたが、人を責めて感情論になるのではなく、コトを冷静にみきわめて改革のために努力する。どんなに誹謗中傷されてもその人自身を責めるのではなく、ジャーナリストとして仕組みを変える方法を数字にして挑んでいるところも伊藤詩織さんのすごいところだ。

思えば、酔って抵抗できない女性を襲うことを「犯罪と思っていない」容疑者の山口氏も、女性でありながら性被害者の痛みを理解しようとせず、みずからセカンドレイプで被害者をあざわらう国会議員の杉田議員も、広義でいえば「NOと言えない教育」・「犯罪を助長するような教育」という日本の古めかしい社会や教育の犠牲者といえる。

(これは、かなり前に、エリートであるはずの京大生が「スカートめくり」をして逮捕されたニュースをみて、私自身が思ったことだが。もし私が日本に男子としてうまれ、幼少期にスカートめくりばかりしても、怒られず、「男の子は元気ねぇおほほほ」とやられていたら、はたしてそれを「ぜったいにやってはいけない犯罪」と認識するだろうか?と自信がもてなかった。)

早くこのような、女性の性被害者が声を出せない現状を過去のものとして、「女の子も男の子も、それ以外の様々なひとたちも、安心してのびのびと暮らせる、誇れる日本」を未来にひき継ぎたい。

この本の中で、今よりもっと女性の地位が低く、大変な時期に、決して理想をあきらめなかった女性の変革者たちの姿をみて、改めてそう思った。

 

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